「ただ大きな声で歌って、劇団員たちが踊っているだけ。ミュージカルは何が楽しいのか、さっぱり分からない」という人がいます。
また、ミュージカルも演劇も、全く興味がない人にとっては、楽しい以前に、「ミュージカル自体が苦手でつまらない」「むしろミュージカルが嫌いだ」という人もいます。
ミュージカルは見方が難しく、初心者にとっては、なかなか楽しみ方が分からないという現状があります。
今回は、ミュージカルが苦手な人や嫌いな人の理由とつまらない理由を分析してみました。
そして、その詳しい理由を探り、ミュージカルが苦手な人でも楽しんでいけるような、作品の選び方や見方をご紹介していきたいと思います。
なぜミュージカルが苦手・嫌いなのか?
ミュージカルの作品の選び方や見方があまり分からないまま鑑賞してしまうと、どうしてよいか分からず、多くの人が苦手になったり、嫌いになったりしてしまう傾向にあるようです。
それでは、ミュージカルのどんな部分が苦手や嫌いになってしまうのでしょうか?
詳しくその理由を分析していきましょう!
常に騒がしいと感じる
ミュージカルはいきなり歌い出したり、全く内容と関係ない歌を歌ったりすることもあります。
セリフの間と間に歌が入るため、見慣れない、聞き慣れないという人にとっては、歌がたくさん入っているイメージを強く植え付けてしまいます。
数えると分かると思いますが、ミュージカルにはたくさんの歌が挿入されています。
そうすると、歌だけを聞いている感覚になり、演劇を見ている感覚ではなくなります。
特に日本のミュージカルは、歌うことに重点を置く傾向があるため、演劇は好きだがミュージカルを苦手、嫌いと感じてしまう人もいるみたいです。
上映時間が長く疲れる
ミュージカルの上映時間は平均3時間~3時間半と言われています。
途中のトイレ休憩も1回しかないため、閉幕までずっとおとなしく座っていなくてはなりません。
周りの人に迷惑になるので、ほとんど同じ姿勢を保ったまま、休憩中以外は動くこともできません。
映画でしたら静かなシーンもあり、少しウトウトなんてこともありえますが、ミュージカルはしょっちゅう歌を歌ったり、セリフを言ったりしているので一息つく間がありません。
歌詞がおかしく感じる
観客に対して話し言葉や語りかけのような歌い方をするのが、ミュージカルの特徴となります。
歌の歌詞というよりは、その場面の言葉や感情を歌に乗せていると言った方が正しいかもしれません。
特に英語の歌にありがちですが、日本語に訳してみると意味がおかしい、違和感があるような言葉や歌詞、フレーズが多いはずです。
それなので、聞き慣れていない歌詞ということもあり、何だか気持ちが悪いという人もいるでしょう。
ミュージカルを見てつまらないと思う理由とは?
「ミュージカルを見たけど、ちっとも興味が湧かない」
「ミュージカル自体の面白さや楽しさが全く分からない」等、ミュージカルをつまらないと感じる人がいます。
ミュージカルを見て、つまらないと感じてしまう理由は何なのでしょうか?
演技がわざとらしく感じる
映画であればストーリーが想像しやすく、主人公や登場人物に感情移入してしまうこともあるでしょう。
特に日本人はストーリーがある話が好きで、自分と重ね合わせる傾向にあるようです。
また、ファンタジー、SFはありえない体験ができ、映画だと壮大なスケールを肌で感じることができます。
でも、ミュージカルの場合、急に歌い出したかと思うと踊り出し、常に歌っているということもあり、興覚めしてしまい、なかなか作品に感情移入するのは難しいと思います。
初めてミュージカルを鑑賞する場合はなおさらです。
想像上の世界というよりは、目の前にある現実そのもので、それなのに突然歌う、踊るというありえない状況が起こるので、演技がわざとらしく感じてしまうという人もいるはずです。
わざとらしさが前面に出てしまうと、ミュージカル=つまらないの図式が出来上がってしまいます。
そもそもミュージカルの歌が嫌い
そもそも論になりますが、バラード系やクラシック系のゆったりとした音楽が苦手な人だとミュージカルの歌も合わないと思います。
ミュージカルの歌は、R&B、ロック、ポップスのようにノリがいい歌ではないので、好き嫌いがかなり分かれます。
ストーリーが単純すぎてつまらない
ミュージカルのストーリーは、色々な箇所に挿入歌が入るということもあり、わざと単純に作られています。
そうしないと、うまく歌を入れることができないからです。
映画やドラマ、本等のように作品に深みや奥行きがないため、単調な予測可能なストーリーをつまらなく感じる人もいると思います。
今後の展開に自分の空想を膨らませながら作品を見たいという人には、ミュージカルは不向きかもしれません。
ミュージカルの楽しみ方や作品の選び方とは?
映画やドラマ、他の舞台や演劇等とは、ミュージカルは予め別物だという認識を持つことが重要になります。
そうすることで、他のものと比較せずにミュージカル単体として楽しむことができます。
それでは、ミュージカルのどんな点に注意して見ていけばよいのでしょうか?
また、どのように作品を選べば、ミュージカルが苦手な人でも楽しめるのでしょうか?
普段と違う演出に注目せよ!
ミュージカルはストーリーを楽しむというよりは、歌やダンス、その世界観を楽しむことに焦点を当ててみてください。
そうすれば、自分もその世界に自然と入り込んでいくことができるはずです。
さらに、特殊な華美な衣装や舞台演出等のビジュアル、音楽や歌の楽しさを味わうと良いです。
ゴンドラに乗って人が登場したり、大量の風船がラストに飛んだり、日常とはかけ離れた演出が盛りだくさんなのが、ミュージカルの魅力の1つでもあります。
実際にこのような見方をすると、ダイナミックな演出を直接感じることができることが、いかにすごいかを体感できるに違いありません。
コンサートと心得よ!
歌手のコンサートに行くと、1つ1つの曲が気になりますよね?
それと同じでミュージカルの曲も、劇中にはありとあらゆる場面で出てきます。
それも、普通の歌手のコンサートとは違い、歌も踊りもダイナミックです。
自分の好きな歌手のコンサートやディナーショー等に行った感覚で、ミュージカルを見るようにしていきましょう。
ストーリーではなく、感覚で楽しむことができると、ミュージカルの楽しさを実感できます。
ダンスの表現に注目せよ!
ミュージカルのダンスの振り付けには、1つ1つ登場人物や主人公の感情が含まれています。
それを全身で表現しているというわけなのです。
ですから、先程の歌と同様にダンスの1つ1つの動きに注目し、どんな感情を表しているのかを考えてみると面白いです。
ミュージカルの演者は、役としての喜怒哀楽を音楽とダンスで大げさに表現しているので、じっと見ていることで、新たな発見が生まれるかもしれません。
ディズニー映画と同じ感覚!
ミュージカルとディズニー映画に共通するのは、劇中でちょこちょこ主人公や登場人物が歌う場面が出てくることです。
『アラジン』『ライオンキング』『白雪姫』『美女と野獣』『リトルマーメイド』等、ディズニー映画のさまざまな作品が、多くの楽曲から構成されている作品ばかりです。
また、ディズニーリゾートに行って、ショーを見る気分でミュージカルを見る方法もあります。
第三者目線で見るというより、一緒に同じ世界の中に入っていってしまう感覚の方がミュージカルをより楽しむことができます。
原作を見てから選ぶ
ミュージカルの原作は、元々映画や小説であるものも多数存在します。
自分が今まで知っているストーリーのミュージカルを見れば、主人公や登場人物や話が予め分かるので、作品に入りやすいと思います。
『ライオンキング』『レ・ミゼラブル』『マイ・フェア・レディ』等の作品は、原作が有名なミュージカルの代表格になります。
近年、漫画やアニメ、ゲームが原作となった2.5次元ミュージカルが人気です。
脚本、演出の質が高く、原作からまるで主人公や登場人物がそのまま出てきたかのような錯覚に陥るぐらい素晴らしいものです。
公式サイトや公式SNS、プロモーションビデオを調べて、自分の好きな作品を探してみましょう!
劇団や出演者から選ぶ
ミュージカルで人気がある劇団と言えば、宝塚歌劇団や劇団四季等が有名です。
全国各地で色々な作品を公演しているので、チケットも取りやすいと思います。
劇団四季は『アラジン』や『ライオンキング』等、初心者でも比較的見やすい作品を多く取り扱っているので、ぜひ作品選びの参考にしてみてくださいね。
それに対して、宝塚歌劇団の役者の中にはテレビや映画に出演している人もいるので、話題になっている出演者から作品を逆算して選定するのも良いでしょう。
テレビや映画のように少し距離があるのと、ミュージカルで直接見るのはかなり印象が違うと思います。
出演者の新たな一面に気が付いて、熱狂的なファンになる可能性もありますよ。
劇場の規模から選ぶ
東京、名古屋、大阪、神戸、福岡等の大都市には、ミュージカルを上演できる大きな劇場があります。
レストランやカフェ、お土産屋等、最新の設備がそろっている所も数多くあります。
ミュージカルだけではなく、色々な設備がついている劇場の規模で選び、そこで現在公演されている作品を見るというのもミュージカルを選ぶ1つの方法になります。
まとめ
ミュージカルが苦手な人でも、楽しめる方法をご紹介してきました。
自分に合いそうな方法は見つかりましたか?
ミュージカルは芝居、歌、ダンスを非日常的な状況で楽しめる良い機会です。
自分なりの楽しみ方や作品の選び方を見つけて、ミュージカルをもっと楽しんでくださいね!
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