宝塚劇団のメンバーであれば、誰しもが必ず憧れるトップスターの存在。
トップスターはいうならば、組の顔を示す重要でかっこいいポジションになります。
そんなトップスターになるには、どのようにしたらなれるのか、気になりませんか?
なので、今回は「【宝塚歌劇団】トップスターはどのようにして決められる?」について、詳しくお伝えさせていただければと思います。
そもそもトップスターとは?
宝塚歌劇団は「花組」「月組」「雪組」「星組」「宙組」の5組に分かれており、その各組の頂点に立つ男役にあたるのが「トップスター」になります。
公演では、大きな羽を身に纏うことで「トップスター」としての存在感を大きく示しています。
大きな羽は、全長2m・重さは10kg以上と言われており、羽の重さは責任の重さとも呼ばれているくらい名誉あるものなのです。
公演の最後に、トップスターが大きな階段を降りてくるシーンは、とても華やかな瞬間ですよね。
他にも、トップスターの相手役を務めているのが「トップ娘役」と呼ばれており、娘役の最上位にあたります。
両者の存在が各組の「トップコンビ」と言われ、その組の顔を表す存在になります。
トップスター、トップ娘役の間に、どちらが偉いのかという考え方はありません。
ですが、考え方として「トップ娘役」は娘役らしくトップスター(男役)を引き立てるという考えがあります。
トップスターになるにはどうしたら良いのか?
トップスターの決め方として、劇団側(「組長」「演出家」「管理職」)などからの決定でどんな人がトップスターになるかが決まります。
トップスターになるためには、基本的に絶対に達成しなくてはいけない「条件」や「ルール」みたいなのは原則ありません。
ですが「どのような人がトップスターになるのか?」ある程度の傾向はあります。
ここでは、トップスターになれる人の特徴をご紹介していきます。
トップスターになれる人の特徴
過去にトップスターになられた方は、男役としての経験値を積みながら「新人公演」「バウホール公演」「東上公演」の3つの公演で主演を果たしている方が多い傾向にあります。
各公演の特徴は以下のようなものになります。
新人公演
本公演と同じ作品を下級生や中堅など、新人だけで構成されている公演のこと。
バウホール公演
トップスターの起用もありますが、メインは若手スターを起用した公演で、バウホールにて行われる公演のこと。
東上公演
関東や関西で行われる公演のことで、バウホール公演で主演を務めたメンバーが東上公演に抜擢されることを「東上」と言われている。
上記3つの公演で主演になったものは「立ち振る舞い」「組織をまとめ上げる力」「主演としての集客力」「技術力」など、トップスター候補生として実力を試されるわけです。
他にも、技術だけではトップスターになれるわけではなく「責任感」「統率力」「実力」「人柄」など、トップスターに座にふさわしい人間性も評価の対象になります。
トップスターへの道のりは、だいたい入団してから12年〜15年が平均的のようです。
1番早くても、入団してから7年目の「天海祐希(あまみ ゆうき)」さん、1番遅くても入団してから18年目の「北翔海莉(ほくしょう かいり)」さんなどが、トップスターになられています。
すみれコードにより、正確な実年齢は明かされることはありません。
※すみれコードとは、宝塚歌劇団の理念でもある「清く」「正しく」「美しく」にそぐわない行為や宝塚歌劇団の品格を落とさないための暗黙のルールのことです。
ですが、中学校を卒業と同時に宝塚歌劇団に入団が決まっていたとしたら、トップスターになれるのは「30代前半」が多いようです。
また、トップスターが退団しない限り、次の方がトップスターの座に座ることはありません。
つまり次期トップスターになるには、現在のトップスターの「退団待ち」になるということも覚えておきましょう。
組替えでトップスター候補生になる道も有る
組替えとは、各組の偏った「人気」や「実力」を均等化するために行われています。
言うなれば、学校のクラス替えに似たようなシステムを宝塚歌劇団は取り入れています。
この組替えによって、各組の3番手だった人は2番手に、2番手だった人はその組のトップスターになれる可能性があります。
組替えは、一気に自分の地位が上がる可能性もありますが、一緒に時を過ごした仲間と離れ離れになることもあります。
中には、数十年一緒に時を過ごした仲間と離れる可能性もあります。
組替えによって、劇団メンバーはそれなりに想うようなことはあるみたいです。
歴代のトップスターでもある「真飛聖(まとぶせい)」さん、「明日海りお(あすみりお)」さん、「蘭寿とむ(らんじゅ とむ)」さんの3人は、組替えを経て「トップスター」になった経験を持っています。
組替えは「トップスター」になれるチャンスでもありますが、それなりの実力が伴っていなければなりません。
組替え狙いで「トップスター」を目指すのは、あまり良い選択ではありません。
しっかりと自分を磨き、努力し続けられたものが「トップスター」の名にふさわしい地位を得ることができます。
トップスターは永遠ではない
晴れてトップスターになることができたと同時に、退団時期を決められる方がほとんどです。
退団時期に関しては、劇団と相談しながら決めていきますが、任期は大体「本公演5作程度(約3年)」を目処に退団される方が多いです。
限りある時間の中でトップスターとしてどのようにして活躍するのかも、宝塚歌劇団の魅力の1つです。
スターシステムを確立する前は、約10年間もトップスターとして活躍する方が多かったですが、その責務の大きさから事前に退団時期を決めているのかもしれませんね。
トップ娘役はどうなのか
トップ娘役のなり方や決め方は、トップスターとほとんど変わりありません。
特に条件は設けていませんが、トップスターと同じで「新人公演」「バウホール公演」「東上公演」の3つの公演で娘役として活躍することが、トップ娘役に選ばれる1つの基準になります。
人間性が素晴らしいことはもちろんですが、トップスターとの相性はとても重宝されます。
他にも、歌がうまい娘役は「トップ娘役候補生」として評価されやすく「ダンスが上手なトップスター」と「歌が上手いトップ娘役」の相性は非常に高いです。
トップスターがどんな方かによって、トップ娘役が選ばれる基準というのも変わってきます。
トップスターも同様ですが、トップ娘役に選ばれるのも「運」の要素も必要になってくるのが事実になります。
まとめ
今回は「【宝塚歌劇団】トップスターはどのようにして決められる?」について、詳しくご紹介してきました。
トップスターには「技術」「人間性」「人気」「容姿」など、兼ね備えた人が劇団からの評価によって、トップスターになることができます。
トップスターは狭き門ですが、晴れてトップスターになれた日には「達成感」と「嬉しさ」を感じることができるでしょう。
ですが、それなりに重大な責任も伴います。
ファンの間では、誰がトップスターになるのかを予想しながら公演を楽しむ方もいます。
普通に公演を楽しむのも良いですが、誰がトップスターになるのかを考えながら見る公演も魅力の1つです。
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